会員紹介
生産農家 福嶋様
2000年より就農し、その前は某外資系製薬会社に勤務されていたという生産農家の福嶋さん。
現在は米、麦、大豆の生産(土地利用型農業)、園芸農家に対して土地の有効活用を柱とする農業形態です。
作付面積は米=8ha、麦=3ha、大豆=3haの計14haであり、従来はビール麦が中心でしたが、近年小麦にシフトしました
。パン用小麦はタンパク含有率が大事
生産においては小麦の品質を一定に保つことが大切であり、なかでもパン用小麦はタンパク含有率が重視されます。そのため常に、作付地の選択(黒ボク土)や初期の肥料設計(専用肥料)、追肥(倒伏考慮)などを念頭におき、最適期に収穫するように努めています。特に追肥はJAの方、振興事務所の方と現地検討会を実施して倒伏防止や、品質の向上を目指しております。
余談ではありますが、「ゆめかおり」は収穫間近の圃場(ほじょう)をみると従来の小麦と色が異なり圃場一面がプラチナ色の穂になり大変感動的な光景が見られます。
国内産と外国産の小麦の違いは”安心”
外国産の小麦は安いかもしれませんが、農薬や管理が不明であり安心とは言えません。その点国内産は保存に関しても国内の管理基準をもとに、安全な管理がされていると聞きます。(JAさんより)
また、生産者の生産履歴も分かりトレーサビリティーがはっきりしている点においても、安心・安全な農産物を提供し、食の安定をもたらしていると言えます。
「麦わらぼうしの会」がフードチェーンを広げていく
「麦わらぼうしの会」の考え方は大変素晴らしく、地産地消の観点からも大切なことです。今までは生産者から製粉、加工、販売と食の連鎖(フードチェーン)を取り持つトータル的な会合がなかったので、いろいろな立場で互いに協力できることを確認し食文化の創造を確立できるのは大変有意義だと思いました。
日本人の食に対するこだわりが日本農業を変えるかもしれない
現状は輸入小麦が圧倒的に多く、国内の小麦は米の休耕対策、裏作での作付が中心であり生産量の限界もあると思われます。但し、食生活の変化に伴いパン食の普及も侮れない市場であります。
TPPへの参加により低価格の小麦の輸入攻勢も強まると思いますが、日本人の食に対するこだわりがあれば”良いものは売れる”という考えも捨てられません。今後10年が日本農業の転換期とも言われていますが、消費者がいる限り、我々農家は安全なものを提供することで差別化、生き残りは図れると考えています。地産地消の取り組みが消費者との絆になると思います。