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会員紹介

ラ・テール

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東京都世田谷区に本店を構え、駅ナカなどにも出店している「大地のパン ブーランジェリー ラ・テール」。
店名の“La Terre(ラ・テール)”は、フランス語で「大地」を意味しており、その名の通り、小麦粉、酵母にはもちろん、水や野菜、果物にまで原材料にこだわり、その持ち味をいかしたパンを作っています。パンに応じて国産の小麦粉を使用し、産地を明記して販売している同店。毎日小麦粉に触れているパン職人の後藤哲亨さんは、今、国産小麦の魅力を改めて感じているそうです。

触れただけでわかる、国産の小麦粉

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「キタノカオリの食パン」「ゆきちからのハードトースト」など、ラ・テールの店内には国産の小麦粉を使用したパンがそこここに並んでいます。パンによってはフランス産やドイツ産の小麦粉も使われていますが、後藤さんは「国産の小麦粉は、触れただけでわかるんです。それくらい外麦とは違うんですよ」といいます。

気候風土が異なれば、育つ小麦も違い、それは小麦粉の性質にも及ぶそうです。

「外国産の小麦粉は、一言でいえば扱いやすい。パンをつくりやすいんです。ところが国産の小麦粉は、いい意味で扱いにくい。ミキサーで材料を混ぜるとき、手でこねるとき、発酵させる前後などで、外国産のそれとは違う動きを見せる。それが魅力ですね」(後藤さん)
パンづくりに適した国産の小麦粉が出回るようになったのは、ここ数年のこと。だからこそ国産の小麦粉のほうがおもしろいと、後藤さんは職人ならではのこだわりを見せます。
「これからどんな小麦粉が出てくるか、出会えるか、ワクワクします。クセのある粉のほうが、『よし、どんなパンにしたらおいしいかな』と刺激を受ける。小麦粉からインスピレーションを受けることで、今までにない新しいパンが生み出せる可能性があります」(後藤さん)

いつかは、すべてのパンを国産小麦で

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国産小麦の生産量がもっとも多いのは北海道で、次いで福岡県、佐賀県と九州勢が続きます。ラ・テールで使用されている国産小麦粉も主流は北海道産ですが、今、後藤さんは日本各地の国産小麦を入手し、いろいろと試作をしているそうです。
「欲をいえば、すべてのパンを国産小麦で作りたい。だから小麦が栽培されている土地の地元の製粉会社に連絡し、サンプルを取り寄せているところです。実際に商品化するには、価格や量の確保ができるかどうかが気になるところですが、外国産の小麦粉にはない個性ゆたかな性質に、大きな可能性を感じています」(後藤さん)

全国の小麦産地を調べる過程で、栃木県産小麦、そして『麦わらぼうしの会』について知ったという後藤さん。

「当店のお客様にとって、栃木県は近郊産地のひとつ。とても身近なところで小麦が栽培されていたとは、意外でした。万人が使いやすいものではなく、ひとクセもふたクセもある、おもしろい小麦粉を届けてほしいですね」(後藤さん)

ラ・テールのブランドコンセプト
ラ・テールのブランドコンセプトは、「自然の恵み、素材のおいしさが伝わる、味わい深いパン」。安心して、おいしく食べてもらえるものを届けるという姿勢の原点について、後藤さんはこう話します。

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「自然のものを、できる限り自然のおいしさそのままに、おいしくいただく。私たちが大切にしているのは、そんな当たり前のことなんです。パンに少量だけ入っているドライフルーツも、『無添加のものはおいしい』とわかる人にはわかる。こだわりのパンを通じて、少しずつでも、そう感じる人が増えていってほしいですね」(後藤さん)
ラ・テールが目指すのは、同店のコンセプトを世の中で「当たり前」にすること。そのころには、すべてのパンが国産小麦で作られているかもしれません。
「天然酵母や水も重要ですが、パンの味、食感を左右するのは、やっぱり小麦粉。今の国産の小麦粉は、どちらかといえば目のつまったハード系のパンに合っていますが、各地の小麦粉を使いながら、また違うパンも作っていきたいですね」(後藤さん)      

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